近年のシリコンバレーでは、大手テック企業のトップたちはある暗黙のルールに従っていた。巨額の資金で競合他社を飲み込むのは御法度というものだ。ごく小規模なスタートアップを買収するだけでも、規制当局に目をつけられるおそれがあった。
だが11月半ばの判決を境に、そうした暗黙の了解はもはや無効となった可能性がある。
連邦地方裁判所の判事は11月18日、メタが10年以上前に新興のライバル企業だったインスタグラムとワッツアップを買収することで違法に競争を阻害したという当局の訴えを退ける判断を示した。この判決は、ソーシャルメディア界の巨人であるメタはもちろん、広く言えば、大企業による中小企業の買収をイノベーションの原動力としてきたシリコンバレーにとって圧勝を意味する。
AI競争の中で待望のゴーサイン
これにより、メタのCEOマーク・ザッカーバーグ、並びにグーグルやマイクロソフトの幹部らは、競争優位の維持を狙ったスタートアップの買収を再開できるようになるだろう。今回の判決は、AI競争に巨額の資金を費やしているテック業界が、まさしく待ち望んでいたものだ。
反トラスト(独占禁止)法をめぐる今回の判決は、「多くの買収側企業が行っている複雑な手続きを取り払い、企業買収への扉を開くものになる」と、ベンチャーキャピタル企業セオリー・ベンチャーズのゼネラルパートナー、トマシュ・トゥングズは話す。
企業買収を再開するかどうかについてメタはコメントしなかった。同社の最高法務責任者ジェニファー・ニューステッドは、今回の判決は「メタが熾烈な競争に直面していることを認めるものだ」と述べ、同社は「アメリカへの投資」でホワイトハウスとの協力を続けていくと付け加えた。



















