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グーグル独禁法訴訟で「違反認定」続発の重い意味。アメリカ政府は“アクティビスト”と化している

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(写真:Jason Henry/The New York Times)

シリコンバレーの巨大テック企業は長い間、反トラスト(独占禁止)法の監視をビジネス遂行上のいまいましいコストとみなしてきた。調査、提出、宣誓証言を求められるうえ、訴訟になればさらに面倒だ。

もっとも、裁判所の動きは遅く、テクノロジーは疾走する。政治の風向きが変化し、大統領と政権が交代する中で、時間は企業に味方してきた。つまり、和解につながることが多かった。

だが、4月17日、グーグルが直面する問題の重みは急激に増した。アメリカの連邦裁判所がその日、オンライン広告技術の一部で独占的地位を築くためにグーグルが違法行為を行っていたという判決を下したためだ。昨年8月には別の連邦裁判所が、グーグルはオンライン検索の独占的地位を守るために反競争的行為を行ったと認定している。

反トラスト法の専門家たちによれば、これほど短期間に政府がいち企業に対して反トラスト法関連で2件の大勝利を収めたことはおそらく前例がない。

元当局者が指摘する「本物の脅威」

「グーグルのビジネスの中核をなす製品市場で、2つの裁判所が同じような結論に達した」。ジョージ・ワシントン大学の法学教授で連邦取引委員会(FTC)の委員長を務めた経験を持つウィリアム・コバチッチは、「本物の脅威と捉えなくてはならない出来事だ」と語った。

グーグル訴訟の判決は、最大手テック企業群の力に対抗する反トラスト訴訟の波の一角を成す。メタ(旧フェイスブック)がインスタグラムとワッツアップの買収を通じてソーシャルメディアにおける独占的地位を違法に固めたとFTCが主張する訴訟でも、先日、公判が始まった。

アメリカ政府は、反競争的行為の疑いでアップルとアマゾンも訴えている。

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