JR東海リニア「新車両」開発の陰で進む方針転換 静岡工区の教訓「わかりやすい説明」の重要性
L0系やL0系改良型試験車の報道公開時と大きく違うのは、園児たちを招いたことだ。場が一気に和んだ。それが演出であることは間違いないが、園児たちにとって目の前のリニア車両に手を振ったという経験は一生の記憶に残るに違いない。将来のリニア開業時には必ず「乗りたい」と思ってもらえるはずだ。

「神奈川県駅」でも子ども向けイベント
翌26日にはJR・京王電鉄の橋本駅付近で建設中のリニア神奈川県駅(神奈川県相模原市)でもイベントがあった。
建設現場のすぐ横にはJR東海が運営する「FUN+TECH LABO(ファンテックラボ)」がある。県・相模原市との連携協力協定に基づき、イノベーション創出を促進する拠点として2024年3月に開設した。このスペースは市民の交流の場としても活用され、昨年度は60回を超えるセミナーやイベントが開催された。
ファンテックラボのすぐ近くには「さがみはらリニアひろば」がある。工事現場内に仮置きした発生土の上部を整備したもので、工事の様子が一望できる。「今しか見ることができない工事現場が変化する様子をぜひご覧いただきたい」(JR東海の担当者)。

そのファンテックラボで、市の主催で「子鉄フェス」というイベントが7月26日に開催された。JR東海とともに企画・運営を担当した鉄道取材メディア「鉄道新聞社」の福岡誠代表は「橋本駅に乗り入れるJR東日本と京王、さらにこの地に新駅を作るJR東海の3社が1つにつながるイベントをやりたかった」と語る。JR東海の呼びかけにJR東日本と京王も快諾した。
イベントの内容は参加者が「こども記者」になって各社にインタビューし、「鉄道のいま・みらい」を学ぶというもの。小学生1人+保護者1人のペア80組という枠は申し込み開始とほぼ同時にすべて埋まったという。
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