「EF64形」勾配路線の主力だった電気機関車の軌跡 中央本線や上越線などで活躍、国鉄生まれの「山男」

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国鉄時代から長きにわたって活躍を続けてきたEF64形だが、すでに大多数は姿を消してしまった。

上越線では2010年、中央東線では2012年までに、後継の貨物用機関車として2002年から営業運転を開始したEH200形に全ての貨物運用が置き換えられた。ブルートレインの牽引も列車そのものが運行を終えたことで消滅し、首都圏では定期運用で姿を見ることはすでになくなった。

EF64 1000重連 上越線 吹雪
吹雪の上越線沼田付近を走るEF64形1000番台重連が牽引する貨物列車(撮影:南正時)
【写真をもっと見る】中央本線で貨物列車を牽引する国鉄時代の姿、ブルートレインや来日した「オリエント急行」牽引の勇姿、そして近年の伯備線までEF64形の活躍。EF63形やEF16形などの山岳区間用機関車もあわせて紹介

一方、中央西線では今も1000番台が活躍しているが、2025年3月のダイヤ改正で名物だった重連運用が終了してしまった。今や風前の灯といった状態で、名古屋駅の新幹線ホームからEF64形の貨物列車を見ていると一抹の寂しさを禁じ得ない。

EF64形のラストスパート

伯備線もEF64形の活躍が続く路線である。筆者が2025年6月に訪れた時には1033号機が運用にあたっていた。しかし、この伯備線にも後継となる機関車が投入される見込みのようで、EF64形はいよいよ終焉に向かってのラストスパートに入ったと思われる。

EF64 1033 伯備線 貨物列車
伯備線を走るEF64形1033号機の牽く貨物列車(撮影:南正時)

筆者は特定の形式を中心に撮影しているわけではないが、EF64形は新製時からその姿を見てきただけに感慨深いものがある。同線からEF64形が引退する日は、国鉄型電気機関車の定期運用全廃の日ともなるであろう。

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南 正時 鉄道写真家

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みなみ・まさとき / Masatoki Minami

1946年福井県生まれ。アニメーターの大塚康生氏の影響を受けて、蒸気機関車の撮影に魅了され、鉄道を撮り続ける。71年に独立。新聞や鉄道・旅行雑誌にて撮影・執筆を行う。

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