戦前の古豪からEF66まで「貨物列車の機関車」列伝 日本経済を支えた国鉄時代生まれの「力持ち」たち
同様に「マンモス」といわれた電気機関車がEF66形である。後年はブルートレインの牽引にあたったことから旅客列車のイメージがあるが、もともとは東海道・山陽本線の高速貨物専用機として開発された機関車だ。

東海道本線湯河原付近を走るEF66形牽引の貨物列車=1975年(撮影:南正時)
EH10形よりも出力はさらに増大し、最高時速110kmで最大1300トン・最長26両編成のコンテナ貨物列車を牽引して活躍。このような高速コンテナ列車は「スーパーライナー」などと呼ばれた。その高速性能を生かし1985年3月からはブルートレイン牽引機に抜擢され、「富士」「あさかぜ」などを牽引した。ファンの人気も高かったEF66形だが、国鉄時代に製造された0番台は2022年春のダイヤ改正で引退した。

「スーパーライナー」のヘッドマークを付けて高速コンテナ貨物列車を牽引するEF66形=1987年(撮影:南正時)
「万能機関車」の活躍
一方で、EF66形の前にブルートレインを牽引していたEF65形はその後も貨物列車牽引などに活躍してきたが、今年3月のダイヤ改正で定期運用がついに消滅した。EF65形の中でも、前面に貫通扉がある1000番台(PF形)は電化幹線の貨物・旅客輸送の双方に貢献した万能機関車といえるだろう。

代々木付近を行くEF65形1000番台(PF形)の牽く貨物列車(撮影:南正時)
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