戦前の古豪からEF66まで「貨物列車の機関車」列伝 日本経済を支えた国鉄時代生まれの「力持ち」たち
万能機関車といえば、EF81形を忘れてはならない。昭和30年代以降、交流電化区間が各地に広がるとEF70形やED75形など交流専用の電気機関車が開発されたが、やがて交流と直流区間を直通できる交直両用の機関車が求められるようになった。とくに重要となったのは、北陸本線や信越本線など、交流区間と直流区間が混在する日本海縦貫線である。

EF81形は1969年、北陸本線の糸魚川―直江津間の直流電化開業に合わせて投入された。その後羽越本線、奥羽本線秋田―青森間の電化完成により、青森までの日本海縦貫線全線をEF81形によって走破できるようになった。ブルートレイン「日本海」などでの華やかな活躍が知られるが、電化区間なら実質的にどこでも走れる万能性で貨物輸送を支えてきた機関車であることは間違いない。

国鉄電気機関車のルーツ「輸入車」
ここまで国鉄の電気機関車について述べてきたが、電気機関車の歴史を知るうえで欠かせないのが電化黎明期に外国から輸入された電気機関車である。
これらの機関車は国鉄に納入されたが、国産の電気機関車の登場によってその多くが私鉄の貨物用として払い下げられた。鉱山からの鉱石やセメントなど、貨物輸送の盛んな地方私鉄はこれらの機関車を使用していることが多かった。鉄道技術の進歩の陰に、人知れず消えていったこれらの機関車の存在を筆者は大切にして顕彰したいと思っている。

今回は貨物列車を牽いた機関車、とくに電気機関車について述べた。全国津々浦々の輸送を担った貨物列車は当然ながら非電化路線も走っており、ディーゼル機関車の存在も忘れることはできないが、また稿を改めて紹介できればと思う。

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら