戦前の古豪からEF66まで「貨物列車の機関車」列伝 日本経済を支えた国鉄時代生まれの「力持ち」たち
同様に戦前生まれの貨物用電気機関車としては、東海道本線など幹線用として1934年に登場したEF10形が「名機」といえよう。
EF10形は、先行して登場した戦前の旅客用電気機関車の代表格、EF53形を牽引力重視の低速形に変更した本格的な貨物専用の機関車として造られた。1942年に完成した、本州と九州を結ぶ関門トンネルの電化区間へも投入され、まさに戦時中の輸送を支えた機関車である。
戦後、同区間で使われるEF10形の一部は、トンネル内に漏れる海水による塩害の錆を防ぐため車体をステンレス化した。うち1両は無塗装の銀色で異彩を放っていた。今でいう「銀ガマ」のルーツといったところだ。

品川駅付近を走るEF10形重連牽引の貨物列車(撮影:南正時)
デッキ付き貨物機の完成形、EF15形
また、EF10形の流れをくむ形で戦後に登場したEF15形は約200両と大量に製造され、全国各地の直流電化区間で貨物列車の牽引を担った。1980年代の国鉄末期まで中央本線や上越線、東北本線などで活躍した姿が思い起こされる。

高崎第二機関区のEF15形(撮影:南正時)

新宿駅付近を走るEF15形牽引の貨物列車(撮影:南正時)
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