185系、最後まで残った「国鉄型特急電車」の記憶 風格はイマイチでも「踊り子」や「新特急」で頭角

特急「踊り子」などで長年走り続けた185系電車が6月、廃車のため回送されたと鉄道ファンの間で話題となった。
185系は国鉄時代末期の1981年に登場し、2021年3月に定期運用から撤退。以降は臨時列車などで活躍を続けていたが、それも2024年12月をもって終了した。185系の消滅で、ついに国鉄型の特急電車が姿を消したことになる。筆者にとってもさまざまな思い出がある電車だった。185系の足跡を振り返ってみたい。
「国鉄特急型」らしくない特急車
1980年代初頭は国鉄の赤字が大きな問題となり、対策として全国各地で合理化が進められた時代だった。そのような世相の中で、185系は急行型の153系を置き換え、特急運用と通勤輸送の普通列車の両方に対応できる車両との触れ込みでデビューした。
だが当時、筆者は最初から185系に好印象を持っていたわけではなかった。登場時には報道機関向けの公開があったものの、正直に言って取材に二の足を踏んだ。185系の「8」は国鉄の車両形式のルールでは特急車を表しているものの、特急型としてはそれまでの車両と比べて風格が落ちるように感じたからだ。
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