まるで鉄道模型?小さな列車「軽便鉄道」の記憶 線路幅の狭い「ナローゲージ」の懐かしい姿

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北勢線 220
近鉄時代の北勢線で活躍していたモ220形(撮影:南正時)

現在ではほとんど聞くことのない「軽便鉄道(けいべんてつどう)」という言葉。建設費を抑えるために線路幅の狭い簡易な規格で建設された鉄道のことで、まだ自動車が普及していなかった時代、地方の足を支える交通機関として全国各地に建設された。

そのほとんどは昭和50年代までに廃線となってしまったが、三重県に三岐鉄道北勢線、四日市あすなろう鉄道の2私鉄が今も存在する。近年は地域ぐるみで活性化を進めているため、軽便鉄道という言葉が知られなくなっても、小さな電車が走る両鉄道の存在は広く知られているだろう。

日本の鉄道の歴史において、地方の交通網発展に果たした軽便鉄道の存在は大きい。その足跡をたどってみたい。

線路幅が狭い「ナローゲージ」

軽便鉄道とは建設費を抑制するために簡易な規格、軽量なレールを使用する鉄道で、一般的には国鉄・JR在来線の軌間(線路の幅)である1067mm未満を軽便鉄道としている。最も一般的だったのは762mm軌間だ。軌間(ゲージ)が狭いため「ナローゲージ」とも呼ばれる。

前途の三岐鉄道北勢線と四日市あすなろう鉄道はどちらも762mm軌間で、電車や駅の設備も一般的な鉄道よりだいぶ小柄だ。この2路線は、現在はバス会社として知られる三重交通がかつて運営し、その後近鉄の路線になったという共通点がある。

【写真】1977年に廃止された尾小屋鉄道のローカル線風情あふれる風景、瀬戸内海を眺めて走った下津井電鉄、近鉄内部・八王子線の旧型車両、そして各地の廃線や保存車両…懐かしい「軽便鉄道」の数々
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