国鉄ローカル線を引き継いだ「三セク鉄道」の軌跡 北海道から九州まで、開業時の熱気と高揚感

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
明知鉄道 開業日 記念列車
旧国鉄の明知線を引き継いで誕生した第三セクター鉄道、明知鉄道の開業初日の列車=1985年11月16日(撮影:南正時)

人口減少や過疎化が進む中、ローカル鉄道の存続問題が各地で浮上している。国鉄末期からJR初期にかけても地方の赤字路線問題がクローズアップされ、全国各地で多くの路線が姿を消したが、地元主導による半官半民の「第三セクター鉄道」として新たなスタートを切った路線も多かった。

筆者は蒸気機関車(SL)現役末期の1970年代から全国のローカル線の取材を続けており、疲弊した赤字路線の廃止を目の当たりにする一方、昭和の終わりから平成初期にかけて数多くの路線が地元の熱意に支えられて再起する姿に高揚した。今回はそんな三セク鉄道のこれまでの姿を振り返ってみたい。

国鉄赤字線を引き継いだ三セク鉄道

第三セクター鉄道とは、国や地方自治体と民間の共同出資による鉄道を指す。必ずしも地方ローカル線に限らないが、今回は旧国鉄・JRの廃止路線を引き継いだ鉄道を取り上げたい。

1980年に成立した国鉄再建法によって、輸送密度が4000人以下の地方ローカル線83線区は「特定地方交通線」として廃止の対象となった。このうち45線区がバスに転換されたが、ほかは鉄道として存続し、そのほとんどは新たに設立された三セク鉄道が引き継いだ。

【写真】北海道ちほく高原鉄道から九州の高千穂鉄道まで、国鉄・JRの廃止路線を引き継いだ第三セクター鉄道の数々。斬新だった「レールバス」や新型気動車、開業記念のヘッドマーク付き列車など、三セク鉄道初期の懐かしい姿
次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事