路面電車と違う迫力「道路に乗り入れた列車」列伝 名鉄や新潟交通、京津線など「併用軌道」の記憶

道路に敷設された線路のことを「併用軌道」という。簡単にいえば路面電車の軌道のことで、法律では「道路上その他公衆の通行する場所に敷設される軌道」だ。
ただ、併用軌道を走るのはいわゆる路面電車だけではない。一般の鉄道の中にも、路面の併用軌道区間に乗り入れて走る路線がある。これらの路線では、いわゆる路面電車タイプの小柄な車両ではない大型電車が道路上を走る迫力ある光景が見られる。近年は減っているが、かつては名鉄特急パノラマカーも路面の併用軌道を走っていた。
今回は、このような「大型の電車」が道路を走る併用軌道への乗り入れ運転について、今は見られない路線や車両を中心にとりあげてみたい。
新潟の路上を走った「かぼちゃ電車」
新潟県にはかつて、新潟交通、越後交通、頚城鉄道、蒲原鉄道の4つの私鉄路線が営業していた。その中で最後まで残ったのが新潟交通の電車線である。沿線住民からは「電鉄」とか、電車の緑と黄色の塗装から「かぼちゃ電車」の愛称で親しまれていた。
路線は白山前(県庁の移転に伴い1985年に県庁前から改称)と燕を結ぶ全長36.1km。このうち白山前から東関屋までの2.2kmの区間が併用軌道で、道路の真ん中を大型の電車が走っていた。
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