185系、最後まで残った「国鉄型特急電車」の記憶 風格はイマイチでも「踊り子」や「新特急」で頭角
出入口のドアは従来の特急車が1両あたり片側1カ所だったのに対して2カ所、普通車の座席もこれまでの特急のような回転式のクロスシートではなく転換クロスシート、そして窓は開閉可能と、従来の特急型車両183系や485系などとは異なる設備で、簡素さは否めなかった。
これらの設備は通勤用車両としても運用するための方策だったが、一方で、はたして朝夕のラッシュに2扉で対応できるか、という疑問も付きまとった。
185系は1981年3月から運用を開始し、同年10月のダイヤ改正からは東京と伊豆方面を結んでいた特急「あまぎ」や急行「伊豆」を統合して誕生した特急「踊り子」に投入された。斜めに緑のストライプを入れた、当時としては斬新な塗装デザインは「踊り子カラー」として親しまれ、185系といえば「踊り子」というイメージが定着した。


斜めストライプと緑の帯
1982年からは、東北・上越新幹線が大宮まで暫定開業したのに伴い、上野―大宮間の新幹線連絡専用列車である「新幹線リレー号」にも投入された。これは耐寒耐雪構造を施した200番台の車両で、塗装は「踊り子」の0番台車の斜めストライプに対してシンプルな緑帯となった。

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