日本では少数派「連接車」欧州鉄道でなぜ大活躍? 「揺れが少ない」などメリットあるがトラブルも

欧州の鉄道では珍しくないが、日本ではなじみが薄い鉄道車両の形態が「連接車」だ。
日本の鉄道車両の多くは、2つの台車に車体を載せた「ボギー車」で、新幹線のような高速列車をはじめ、JR以外の私鉄や地下鉄なども、そのほとんどがボギー車を採用している。
これに対して連接車とは、1つの台車を隣り合う車体で共有し、2つの車体を支える構造だ。ドイツ人鉄道技師のヴィルヘルム・ヤコブスが開発・考案し、特許を取得したことから、海外では「ヤコブス台車」という名称で呼ばれている。
欧州ではTGVからローカル線まで普及
日本では、京阪電気鉄道の60型電車「びわこ号」で初採用され、後に小田急電鉄の初代ロマンスカー3000形SE車や、近畿日本鉄道初代ビスタカーの10000系電車で採用されてから知名度が高まったが、決して主流とは言えない。
今は路面電車以外ではあまり見かけなくなり、歴代ロマンスカーで採用してきた小田急も現在はボギー車で統一され、その小田急から移籍した10000形HiSEが活躍する長野電鉄に残るくらいである。江ノ島電鉄や広島電鉄、福井鉄道などには存在するが、いずれも高速運転する車両ではない。
このように日本ではなじみが薄いため、連接車は特殊な構造を持つ少数派という印象を持たれがちだが、欧州の鉄道では非常に多くの連接車両が活躍している。
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