日本では少数派「連接車」欧州鉄道でなぜ大活躍? 「揺れが少ない」などメリットあるがトラブルも

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
Stadler Flirt
スイスのメーカー、シュタドラー製の連接車「Flirt」。近郊用として欧州各国の鉄道に導入されている車両だ(撮影:橋爪智之)

欧州の鉄道では珍しくないが、日本ではなじみが薄い鉄道車両の形態が「連接車」だ。

日本の鉄道車両の多くは、2つの台車に車体を載せた「ボギー車」で、新幹線のような高速列車をはじめ、JR以外の私鉄や地下鉄なども、そのほとんどがボギー車を採用している。

これに対して連接車とは、1つの台車を隣り合う車体で共有し、2つの車体を支える構造だ。ドイツ人鉄道技師のヴィルヘルム・ヤコブスが開発・考案し、特許を取得したことから、海外では「ヤコブス台車」という名称で呼ばれている。

この記事の画像を見る(36枚)

欧州ではTGVからローカル線まで普及

日本では、京阪電気鉄道の60型電車「びわこ号」で初採用され、後に小田急電鉄の初代ロマンスカー3000形SE車や、近畿日本鉄道初代ビスタカーの10000系電車で採用されてから知名度が高まったが、決して主流とは言えない。

【写真】日本で少数派の「連接車」は、欧州では高速列車の代表格TGVからローカル線まで大活躍。日立やアルストムなど大手メーカー製の近郊型車両やポーランドの特急、そしてテスト走行中の新型TGVの貴重な姿など、欧州を走る連接車の数々

今は路面電車以外ではあまり見かけなくなり、歴代ロマンスカーで採用してきた小田急も現在はボギー車で統一され、その小田急から移籍した10000形HiSEが活躍する長野電鉄に残るくらいである。江ノ島電鉄や広島電鉄、福井鉄道などには存在するが、いずれも高速運転する車両ではない。

このように日本ではなじみが薄いため、連接車は特殊な構造を持つ少数派という印象を持たれがちだが、欧州の鉄道では非常に多くの連接車両が活躍している。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事