「気動車」はいつまで残る?欧州非電化路線の現在 幹線でもまだまだ活躍、「次世代動力」はどうなる

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DB BR612
車体傾斜装置付きで最高時速160kmの気動車、ドイツ鉄道612型(撮影:橋爪智之)

1825年にイギリスで初めて商業目的の鉄道が開業してから、今年2025年で200年。その最初期の鉄道を支えた動力は蒸気機関であった。産業革命の主役でもあったこの技術を動力として用いた蒸気機関車によって鉄道は発達し、200年の歳月を経た現在も、多くの国で交通機関の主役となっている。

だが、技術の進歩と共に動力は変化し、とりわけ電気を動力源として使うようになってから、幹線の主役は電車や電気機関車に取って代わられた。一方で電化には多額の工事費が必要で、ある程度の需要がある路線でなければ電化は難しい。

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実は非電化区間が多い欧州

そのため、今も多くの非電化路線が残っているが、その動力源は蒸気機関に代わり、内燃機関が用いられるようになった。ディーゼル機関車や気動車といった内燃機関を用いた車両は1960年代以降、世界各国で開発が進んだことで急速に数を増やしていき、1970~80年代までに多くの国で蒸気機関車は引退した。

【写真】独特なデザインが特徴のデンマークの車両、車体を傾けて高速で走るドイツの高性能気動車、急速に姿を消しているイタリアのディーゼル機関車が牽く客車列車など、欧州各国の「非電化区間」の主力車両たち

近年に至るまで、非電化区間の主役は間違いなくディーゼル機関車や気動車だった。ここ数年は、バッテリーや水素といった新しい技術が台頭し、排出ガスが課題となるディーゼルエンジンを用いた車両に取って代わられると見られていたが、まだ技術的な成熟が必要で、完全な転換にはもう少し時間が必要と言えるだろう。

では、まだ多くの非電化路線が残るヨーロッパ圏では、どのようなディーゼル車両が活躍しているのだろうか。

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