近鉄16000系、南大阪線・吉野線「最古参特急」の今 「吉野特急」の元祖として観光と通勤両面で活躍

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近鉄16000系
近畿日本鉄道の特急車両16000系。大阪阿部野橋―吉野間を走る「吉野特急」として長年活躍してきた(記者撮影)

近畿日本鉄道・南大阪線の特急は、「あべのハルカス」の足元にあるターミナル、大阪阿部野橋から奈良の橿原神宮前を経て吉野線に直通し、飛鳥や吉野などの観光地を結んでいる。

近鉄のフラッグシップ「ひのとり」や「アーバンライナー」といった名阪特急、大阪・京都・名古屋の都市圏と伊勢志摩などを結ぶ観光特急が走る路線は軌間(線路の幅)が新幹線と同じ1435mmの標準軌。一方、南大阪線系統は軌間1067 mmでJR在来線と同じ狭軌の路線だ。

南大阪線・吉野線の特急車両

沿線外から見ると、古くからの桜の名所として知られる吉野山への観光路線のイメージが強いが、大阪南部に広がるベッドタウンの通勤通学の足としての役割が大きい。南大阪線の起点、大阪阿部野橋は近鉄全線で最も利用者が多い駅だ。南大阪線・吉野線を直通する「吉野特急」は通勤・帰宅時間帯の着席需要も取り込んでいる。

大阪阿部野橋―吉野間を走る特急車両は意外にバラエティに富んでいる。中でもクラシックな外観が存在感を放っているのが1965年に登場した最古参の16000系だ。

【写真】近鉄南大阪線・吉野線に登場した当時の16000系。それから60年近く経ち、いまなお残る編成の貴重な姿を車両基地で独占取材(60枚)
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