JRと南海電鉄が並び立つ、和歌山ご当地鉄道事情 県都に「和歌山駅・和歌山市駅」の2大ターミナル

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紀勢本線 特急「くろしお」283系 オーシャンアロー車両
JR紀勢本線の特急「くろしお」。1996年にデビューした283系「オーシャンアロー」も現役だ(撮影:鼠入昌史)

かつて紀勢本線には「太公望列車」などと異名を取る列車が走っていた。夜遅くに新大阪駅を出発し、阪和線・紀勢本線を夜通し走って早朝に新宮駅へ。いわゆる「新宮夜行」である。

太公望というのは、釣り人のことだ。中国の周王朝に仕えた軍師・呂尚(太公望)が渭水で釣りをしていたところを文王に出会った……という伝説が謂れになっている。

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海沿いを行く夜行「太公望列車」

釣り人は総じて朝が早い。日の出とともにお魚さんたちの動きが活発になって釣りやすいとか、そういう理由があるらしい。個人的には釣りを趣味としていないから詳しくは知らないが、釣り好きの知人に聞けば日が完全に昇ってからは釣果ゼロ、なんてこともあるという。

紀勢本線は美浜に御坊、白浜、すさみ、串本、那智勝浦と太平洋を望む海沿いの町をつないで走る。早朝にそれらの町にたどり着くことのできる新宮夜行は、まさしく「太公望列車」だったのである。

【写真を見る】大阪から南へ競うように路線が延びるJR阪和線と南海本線。その先には「和歌山駅」「和歌山市駅」という立派なターミナルが2つある。和歌山県にはいったいどんな鉄道が走っているのか?
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