和歌山県内の鉄道路線図を眺めると、そのほとんどが北部の和歌山平野や紀ノ川沿いに固まっていることが見えてくる。というか、和歌山市以南では紀勢本線がぐるりと海沿いを走っているほかには3kmに満たない紀州鉄道があるだけだ。
これは、和歌山という県の大部分が紀伊山地の山の中、ということの裏返しでもある。熊野の参詣道が張り巡らされた山がそのまま海に落ち、その際を縫うように紀勢本線が走る。一方で、人口の大部分が集中している和歌山市周辺にはJRと私鉄が大阪との都市間輸送を競い合い、紀ノ川沿いにもローカル線が走っている。
県都に2つの玄関口
何しろ、県都・和歌山には和歌山駅と和歌山市駅という2つのターミナルがあるのだ。和歌山の中心市街地はちょうどその間に広がっている。徳川御三家、紀州藩の和歌山城もそこにある。

路線図を見ているだけでも圧倒的な県都の存在感。それは、御三家・紀州藩の城下だった時代をいまに受け継いでいる、ということなのかもしれない。

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