近鉄2610系、「長距離駆ける一般車両」の半世紀 大阪線・名古屋線の急行用、当初はクロスシート車

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近鉄2610系
近畿日本鉄道の「2610系」。通勤通学用の一般車両ながら、半世紀にわたって大阪・名古屋と伊勢方面を結ぶ長距離区間を走り抜けてきた。表示は「急行大阪上本町行き」(記者撮影)

近畿日本鉄道の山田線は三重県松阪市の伊勢中川と伊勢市の宇治山田の間を結ぶ28.3kmの路線だ。宇治山田は天皇や首相が伊勢神宮を参拝する際の玄関口となる駅として知られる。

山田線には観光特急「しまかぜ」や「伊勢志摩ライナー」をはじめ、大阪・京都・名古屋と伊勢志摩方面を結ぶ特急が数多く行き交っている。

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一般車両の長距離ランナー

ほとんどの特急は、大阪線(大阪上本町―伊勢中川間)や、名古屋線(近鉄名古屋―伊勢中川間)から直通するため、観光客が山田線という路線名を意識することは少ない。賢島行きの場合、宇治山田から先は鳥羽線、鳥羽から先は志摩線に入る。京都―賢島間の特急は195.2kmと私鉄で最長の距離を走る。

山田線で通勤通学用に活躍する一般車両もまた長距離ランナーといえる。たとえば大阪上本町と内宮の最寄り駅である五十鈴川を結ぶ急行は途中、青山峠の連続急勾配区間を越えながら、139.1kmを約2時間半かけて走り抜ける。こうした一般車両で半世紀以上活躍してきたのが「2610系」だ。

【写真を見る】近鉄の大阪線系統・名古屋線系統の急行用として長距離を駆け抜けてきたベテラン一般車両「2610系」のあまり知らない一面を車両基地で独占取材。かつてのクロスシート車時代の車内を写した貴重な白黒写真も
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