近鉄2610系、「長距離駆ける一般車両」の半世紀 大阪線・名古屋線の急行用、当初はクロスシート車

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2610系の多くは明星の車両基地(明和町)に配置されている。明星検車区の伊藤雅夫助役は2610系について「メンテがしやすくて大きな不具合はない。近鉄には車種がたくさんあるなかで、若手にいちばん初めに主回路や制御回路を教えるときにはまずこの電車の図面が基本になります」と話す。

「大阪線の2610系の運用管理は明星車庫が担当していて、ダイヤ乱れが発生すると徹夜で整理し直すこともあります。明星の者からしたらいちばん身近な、馴染みのある電車です」(伊藤助役)

明星検車区助役の伊藤雅夫さん(左)と技術管理部の奥山元紀さん(記者撮影)
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実は近鉄いちばんの座り心地?

現在の2610系にはクロスシート時代の名残りで側面の窓が大きく、その分ロングシートの背もたれの高さがやや低い。

他社では最近、背もたれが高いハイバックシートを導入する例もみられるが、近鉄技術管理部の奥山元紀さんは「なんでか知らんけど、僕は個人的に2610系のロングシートが近鉄でいちばん座り心地がええと思う」と評価する。

近鉄2610 ロングシート 現在 車内
2610系のロングシートは窓の大きさに合わせて背もたれがやや低い(記者撮影)
【写真】現在では通勤通学用の一般車両らしくロングシートが並ぶシンプルな印象の車内だが、2610系でしか体験できない座り心地も
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