貨物列車の運転席「同乗取材」で見た乗務のリアル 青函トンネル通る、JRの長大編成コンテナ列車

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

運転士の生の声を聞いてみたい。JR貨物の幹部にこんな話をしてみたら、「それなら貨物列車に乗ってみますか」という提案を受けた。運転士の隣で運転の様子を観察すれば実態がわかるはずだ。こうして貨物列車への同乗取材が実現した。

行程をJR貨物と打ち合わせる中で、わかったことがある。東京と札幌を結ぶ長距離列車の場合、1人の運転士が交代せずに運転するということはない。基本的には黒磯(栃木県那須塩原市)、仙台、盛岡、青森、函館、東室蘭で運転士を交代する。

長時間にわたる連続運転を避けるための配慮で、7人の運転士によるリレーによって東京と札幌をつないでいるわけだ。そのため、青森から同乗し、函館に着いたら運転士とともに下車、翌日の貨物列車であらためて東室蘭、そして札幌に向かうこととなった。全体で464kmの行程だ。

旅客列車の運転と何が違う?

運転中の運転士には絶対に話しかけてはいけないと念押しされた。何か疑問があれば同乗するJR貨物の添乗員に質問してほしいという。したがって、この後の記事中に出てくる運転士のコメントは、運転後の取材で得たものである。

1月29日の昼、青森の地に降り立った。曇りだが時折晴れたり雪が舞ったり、一言で表せないような天気である。

青森駅近くにある青森総合鉄道部で事前レクチャーを受けた。運転士は運転中に個人スマホを使用することが禁じられており、電源をオフにして乗車している。同乗者も外部からの誤解を避けるため、スマホの使用が禁じられる。カメラを使った撮影の際は、運転の支障にならないようにフラッシュをオフにするようにという説明もあった。

JR貨物青森総合鉄道部
JR貨物青森総合鉄道部の建物(記者撮影)

「1人の運転士が1回に運転するのはだいたい3時間くらいです」と、JR貨物青森総合鉄道部の大場亮太郎部長が説明してくれた。運転中にトイレには行けないので、乗務前の体調管理には気を遣う。

関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事