かつて半蔵門線直通案も、葛飾の「新金線」秘史 旅客化構想続く貨物線「バス専用道」案も検討

葛飾区は東京都区部の東部に位置する区。漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所』や映画『男はつらいよ』の舞台としても有名だ。
ここを通る鉄道は、JR東日本の常磐線・総武本線と京成電鉄の本線・押上線・金町線・成田スカイアクセス線、北総鉄道の北総線で合計3社7線。その多くは区の東西を横断し、都心と葛飾を結んでいる。
しかし実はもうひとつ、葛飾区を通る鉄道路線がある。その名は「新金線」。全線ほぼ葛飾区内で南北を縦断し、総武本線の新小岩駅と常磐線の金町駅を結ぶ全長約7kmのJR線だ。来年2026年には開業100周年を迎える。
総武本線と常磐線を直結する貨物線
長い歴史を持つ新金線だが、その存在はあまり知られていない。基本的に貨物列車しか走らない貨物線で、旅客列車の時刻表や旅客案内用の路線図には掲載されていないのだ。1日の運行本数も貨物列車が最大で上下計9本と少なく、ほかに工事列車や臨時の旅客列車がときおり走る程度。沿線住民でも列車を見かけたことがある人は多くないだろう。
ただ、都心と葛飾を結ぶ鉄道は複数あるのに対し、区内を南北に移動できる公共交通はバスだけで不便。そこで新金線を旅客化しようという構想が古くからある。その歴史、そして現在の検討状況をたどってみた。
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