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TBSが海外に殴り込み…「日の丸ドラマ」で狙う座 海外売上比率10%へ、有力韓国スタジオと共同制作の「初恋DOGs」は世界配信も

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「VIVANT」などのヒットドラマを生み出してきたTBS。“グローバルコンテンツブランド”へと昇華させられるか(編集部撮影)

「世界のTBSドラマ」へ、第一歩となるか。

7月1日、日韓共同制作のTBS系ドラマ「初恋DOGs」の放送が始まった。TBSと「愛の不時着」で知られる韓国の制作会社・STUDIO DRAGONが初めてタッグを組み、愛犬同士の一目ぼれから始まる、国を越えたラブストーリーを描く。

俳優の清原果耶が主演を務め、共演に成田凌、そして「私の夫と結婚して」などで知られ、日本ドラマ初出演となる韓国俳優のナ・イヌを迎える。スタッフ陣にも、演出と協力プロデューサーにSTUDIO DRAGONの人材を招聘した。

演出を担当するTBSテレビ ドラマ制作部の岡本伸吾氏は「『初恋DOGs』のテーマの1つは、動物のように単純に愛せよ、というメッセージ性だ。ワンちゃんのかわいらしさや、シンプルに人を愛するという部分は、おそらく世界共通で『ああ、かわいらしいな』と思える。世界的にも共感が得られる作品なのではないか」と手ごたえを語る。

TBSが4年前に掲げていた目標

今回注目すべきが、日韓での放送・配信にとどまらず、ワーナー・ブラザース・ディスカバリーの動画配信サービス「HBO Max」を通じて、世界各国で配信される点だ。ワーナーは2024年9月、本作品の国内配信を担うU-NEXTと、日本コンテンツの全世界配信・プロモーションで協業すると発表していた。「初恋DOGs」は、その第1弾となる日本ドラマ10作品に名を連ねた。

TBSグループは2021年に打ち出した長期ビジョンで、2030年度に売上高を5500億円(2024年度実績は4067億円)、営業利益を385億円(同194億円)に拡大させることを目指している。成長を支える柱の1つに掲げたのが、「TBS」を“グローバルコンテンツブランド”に引き上げ、海外売上比率10%を達成することだ。ドラマはその牽引役として期待されている。

長期ビジョンの発表から間もない2021年6月、戦略的パートナシップ協定の締結を発表した相手が、STUDIO DRAGONを傘下に抱える韓国の総合エンタメ企業・CJ ENMだった。2024年5月には、ドラマ・映画の共同制作で合意。すでに日韓で、両グループのクリエーターたちによるワークショップも実施している。

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