鉄道?それともバス?「富士トラム」詳細明らかに 長所多い「夢の乗り物」だが今は「絵に描いた餅」

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CRRC ART
中国中車(CRRC)グループが開発したゴムタイヤで道路上を走る新たな交通モード「ART」。山梨県は富士山へ同タイプの車両の導入を検討している(記者撮影)

その車両は鉄道なのか、それともバスなのか。

富士山のふもとと5合目を結ぶ新たな交通システムの概要が明らかになった。それは鉄輪の代わりにゴムタイヤで走る「富士トラム」。まだ日本には存在しない。山梨県は6月5日、「富士トラムはLRT(軽量軌道交通)などほかの交通モードと比べて優位性が高い」という調査結果を発表した。富士トラムとはどのような乗り物なのか。

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物理的なレールなしで自動運転

県から委託を受けて富士トラムとほかの交通モードとの比較検討を行ったのは建設コンサルタントの日本工営および日本交通計画協会。3月末に調査結果がまとまり、報告書は大学教授やJR職員などの有識者で構成される富士山登山鉄道構想事業化検討会の委員らにメールで送付された。県は委員から意見を募って、5月29日に調査結果を公表する予定だった。

【写真】物理的なレールなしで、道路上を磁気マーカーや白線に沿ってゴムタイヤで走る想定の「富士トラム」に似たような交通機関は中国で実用化されているほか、国内でも研究が。どんな車両が存在する?

しかし、直前になって延期に。「委員の意見の集約に時間がかかった」と、県で富士トラム構想を所管する山梨・富士山未来課の栗田研二課長がその理由を説明した。各委員から意見を聴取し、その内容をまた各委員にメールで伝達するという作業を繰り返し、各委員の意見を集約した結果、調査結果について「全体的な方向性について大きな違和感はない」という結論が得られたという。

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