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急浮上する原子力潜水艦保有論・その可能性は(前編)/太平洋戦争での敗北を逆手にとった中国牽制に有効だ

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大型軍艦も作れなくなった。潜水艦対策に必須となる小型艦艇の建造を優先する。その影響で大型艦の新規建造は取りやめとなった。建造中の軍艦も早期に完成するものを除いて建造を中止した。アメリカ潜水艦は現実の日本軍艦や商船を沈めただけではない。計画線表や造船所にある日本軍艦をも沈めたのである。

そうして日本を敗北に追いやった。連合艦隊は劣勢状態でマリアナ決戦を挑んで敗北しグアム、サイパンを失った。そして、そこから離陸するB-29により本州以南は爆撃で焦土と化した。さらに瀬戸内海や諸港への機雷投下で海上輸送も困難となり、飢餓状態も引き起こされた。そのため日本は降伏を選択したのである。

活動時間と移動時間の限界を解消

日本は、この潜水艦作戦を中国に対して実施している。中国に力の分散を強要し東シナ海における日本海軍力の劣勢を覆そうとしている。

その一片は報道から伺うことができる。2018年9月には、日本潜水艦が南シナ海で活動中との記事が出ている。ただし、海自潜水艦は往復日数の問題を抱えている。電池容量の関係から時速10km程度での水中移動となる。そのため南シナ海との行き帰りで行動可能日数の半分を費やす不効率を抱えている。

戦争中は浮上航行のため深刻な問題とはならなかった。ディーゼル・エンジンにより時速30km以上で移動できた。だから太平洋を横断するような作戦も実施できたのである。それが、戦後には不可能となった。各国にレーダーが普及した結果、ほぼ自殺行為となったのである。対策として1950年代末からはディーゼル・電池式の潜水艦でも一切浮上せずに水中移動するようになった。

水中での移動速度は時速8kmから10km強である。しかも1日か2日ごとには海面に吸気筒を立てて充電しなければならない。さらに、最近ではその際は停止している様子である。つまり、日本と海南島の往復には合計4週間程度を費やしている。行動可能期間を10週間と仮定すれば、その4割に相当する。その悪影響は大きい。

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【運用上の問題は?】

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