
航空自衛隊のC-1輸送機が退役した。国産のジェット輸送機であり、首都圏上空を含めて日本各地を50年ほど飛び続けたことから国民の馴染みも深い飛行機である。
ただ、このC-1は失敗作であった。最大搭載量は少なく、最大飛行距離も短いうえ、価格だけは高い問題を抱えていた。そのため引き渡しから7年で製造は打ち切られている。
なぜC-1は失敗作と言えるのか。それは不純な性能設定の結果である。「国内開発をする」という、その結論に合わせて要求性能を逆算したものだった。
傑作機からはほど遠い
とくに傑作機であるアメリカ製C-130輸送機の排除を目的に、輸送機としては不自然な仕様で開発を進めた。実用性を欠く飛行機となったのはそのためである。
これは現用のC-2輸送機も同様である。国産開発の結論に合わせてアメリカ製C-17輸送機を排除できるように要求性能を設定した。その結果、やはり能力不足かつ高価格な輸送機となってしまった。
言い換えれば、C-1は傑作機だったのだろうか。それはない。傑作からはほど遠い飛行機である。
一方で、欠陥機というわけでもない。飛行機としての出来そのものは悪くはないからだ。空中での機動性も良好であるし、極めて短い距離で離着陸できる特長もあった。飛行機そのものとしては同時期のアメリカ製輸送機にも劣るものではなかった。
機械的なトラブルもなかった。設計も製造法も手堅くまとめており強度不足のような欠陥はない。最近の国産機のように、一部の操作手順が通常の飛行機とは反対となる問題もない。エンジンも信頼性が高い海外製なので、エンストが多発する事態は起きなかった。
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