「中古でもC-17」石破茂首相が空自輸送機に注文したのは、使えない国産輸送機が抱える欠陥にあった

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同時期に導入したF-4戦闘機導入と較べると、それは明白となる。F-4は素の状態でもC-1よりも遠くまで飛べた。戦闘状態での作戦半径も1.5倍であった。それにもかかわらず爆撃計算機と空中受油装置導入を外しただけで批判を乗り切り導入した。それからすればC-1の航続距離云々は屁理屈である。

第2に、搭載量も低めにした。C-1輸送機の最大搭載重量は、更新対象である旧式機C-46輸送機と、ほぼ同じにしている。「老朽更新なので同じ能力に合わせた」形ではあるが、やはり不自然である。これも海外製輸送機を買わないための努力である。

本来なら、これらの理由は可能な限りの向上を図る項目である。輸送機械の開発では搭載エンジンで実現できる最大重量や最大容積を追求する。トラックでも貨物列車でも、コンテナ船やタンカーでもそうしている。

屁理屈だらけの性能設定

C-1開発では、それを意図的に怠った。最大輸送重量は8トンである。これはC-46の7トンとほぼ変わらない。ちなみにC-46はプロペラ機であり第2次世界大戦時に登場したものだ。

馬力と推力の差があるものの、エンジン末端段の力量からすればC-1は15倍のパワーがある。それにもかかわらず、搭載量は1割強しか増えていない。

3つ目は、極端な離着陸性能の追求である。C-1は滑走路が600メートル以上あれば飛ばせる。これは技術的には注目すべき性能だが、裏を返せば「海外製輸送機の導入を避けるため」の性能設定でもある。

すでに開発当時には海空自衛隊は2000メートル以上の滑走路長を確保していた。当時の主力であった海自P-2対潜哨戒機や空自F-104戦闘機を飛ばすためである。それなら600メートル級飛行場への対応は不要だ。それよりも飛行距離や搭載重量の拡大を図るべきである。

ただ、日本独自の事情を持ち出すには都合がよい。「日本の国土は狭隘である」「戦時に陸自や民間の小規模飛行場への離着陸能力が求められる」。そう説明すればC-130を排除できる。

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