韓国対応は無難に切り抜けたが… 、"日本初の女性首相"高市早苗がぶち抜いた「ガラスの天井」の上に立ち込める《暗雲》の正体

「高市早苗くんを、衆議院規則第18条第2項により、本院において内閣総理大臣に指名することに決まりました」
額賀福志郎衆院議長が宣言すると、高市氏は立ち上がり、緊張した面持ちでお辞儀した。さらに右手、後方、左手と、拍手する議員に向かって何度も頭を下げ、最後にもう一度正面に向かってお辞儀をして着席した。
憲法では、首班指名は参議院より衆議院の決定が優越すると規定されている。10月21日午後1時48分、日本憲政史上初の女性首相が事実上誕生した。
「ガラスの天井」の上に立ち込める“暗雲”
「強い日本経済を作り上げ、外交・安全保障で日本の国益を守り抜く」。その日の夜に開かれた就任会見で述べたこの言葉こそ、高市首相の真骨頂といえるだろう。
高市首相は自らの内閣を「決断と前進の内閣」と位置づけるとともに、就任会見後にさっそく初閣議を開き、物価対策に対応する経済対策の策定を指示した。国民の期待を超える仕事をしてみせるという意気込みがうかがえる。同時に、女性の昇進を阻む、いわゆる「ガラスの天井」を破った自信を垣間見ることができた。
しかし、「ガラスの天井」の上には“暗雲”も立ち込める。
10月4日の自民党総裁選では党員票こそ多かったが、1回目の投票で獲得した議員票は64票で、80票の小泉進次郎氏、72票の林芳正氏より少なかった。決選投票で獲得した議員票は149票で、145票の小泉氏より4票上回ったにすぎなかった。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら