韓国対応は無難に切り抜けたが… 、"日本初の女性首相"高市早苗がぶち抜いた「ガラスの天井」の上に立ち込める《暗雲》の正体
もっとも中曽根元首相の場合は、政府が総力で準備したに違いない。全斗煥(チョン・ドゥファン)大統領(当時)も“返礼”として藤山一郎氏のヒット曲「影を慕いて」を披露したというから、日韓両国による大がかりな“舞台”であったことは明らかだ。

一方、高市首相の今回の発言は「仕込み」ではなく脊髄反射。さらに「韓国のりが好きで、韓国コスメを使い、韓国ドラマを見る」という高市首相の素顔は、多くの日本の女性にも親近感を抱かせたに違いない。
だが、これだけで“暗雲”が晴れるわけではない。経済対策は待ったなしで、リーダーシップの発揮が求められるが、肝心の国会運営では少数与党ゆえに差し障りが出てくることが予想される。
維新の「閣外協力」が示唆する政権の不確実性
頼りにすべきは新たなパートナーの日本維新の会だが、閣内に大臣を送らず、閣外協力にとどめている。維新側に適当な人材がいないことが原因とされているが、「維新がいつでも逃げることができる」という状況でもある。
さらに公明党の連立離脱は、小選挙区で自民党議員の票を約500万票減少させるとみられており、党内での反響は小さくない。
高市事務所に約2万人の新規入党希望者が殺到したと報道されたが、公明党が抜けた穴を埋めることができるかについては、多くの自民党議員は懐疑的。高市首相が就任会見で衆院の早期解散を否定したとおり、いくら高市氏が高い人気を誇ったとしても、ただちに衆議院を解散できる状態ではないのだ。
それでも高市首相が“一筋の光”であることは間違いない。首相に就任して「ガラスの天井」を打ち破った以上は、厚く立ち込めた“暗雲”を吹き飛ばし、温かい希望の陽光が日本に降りそそぐようにしなければならない。
そのタイムリミットは、自民党総裁の任期が満了する2027年9月。高市氏は日本の救世主になれるのか。
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