中国の「金・石油・人民元の閉鎖循環」戦略が本格的に動き出した。新興国が資源輸出で中国から受け取る人民元について、金との兌換を保証することで人民元の保有リスクを極小化し、米ドルを介さない貿易循環を確立するものだ。部分的とはいえ事実上の「金本位人民元」の構築で、米ドル覇権への新興国を巻き込んだ具体的な対抗策として注目される。
金で人民元の価値を裏付ける
1月下旬、香港で開かれた「アジア金融フォーラム」で、香港政府は3年以内に香港空港近くに2000トン超の金を保管可能な世界最大級の保管庫を設置すると明らかにした。人民元の裏付けとなる金の現物を域内に置き、即時決済の信頼性の担保を狙う。さらに香港政府はSGE(上海黄金交易所)と包括協定を結び、共同で国際的な金の清算システムのガバナンスやルール作りを行うと表明した。
この動きは中国政府が進める「金・石油・人民元の閉鎖循環」確立戦略の一環だ。中国政府は「第14次五カ年計画」の「現代金融システム計画」で、「越境貿易・投資における人民元使用の奨励」を明記。それに基づいて中国人民銀行は2021年の報告書で「商品取引の人民元建て決済の推進」を掲げている。「閉鎖循環」の構築は、その中核を成す戦略だ。
仕組みは以下のようなものだ。サウジアラビアやロシアなど資源国は中国への輸出の代金として人民元を受け取る。この人民元は中国からの製品輸入に使うか、資源国側が望めば上海や香港の取引市場での金への転換を保証する。香港の巨大金保管庫計画は、このための金の現物保管を想定している。




















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