工事はなぜ止めるのが難しいのか? メガソーラー問題で浮かび上がった「林地開発許可」の盲点

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鴨川市とメガソーラー開発地の位置(画像:国土数値情報と千葉県の資料をもとに、ごん屋が作成)

計画の規模は日本最大級。事業地が南北に3km、東西に1kmに及ぶ約250haと広大で、それぞれ1300万㎥もの切り土、盛り土を行い、出力10万kWを超える発電を行う。

千葉県は当初、「法令違反はない」(2025年10月16日の定例会見で、熊谷知事)との姿勢だったが、その後、誤伐採が明らかになったとして、県は10月28日、工事の一時中止を求める行政指導を行った。また県は「鴨川市内における大規模太陽光発電施設計画に関する有識者会議」を設置し、11月に初会合が開かれた。

2025年9月末~10月に関心を呼んだ鴨川市のメガソーラーの造成現場(写真:鴨川の山と川と海を守る会提供)

住民たちは7年前から千葉県による林地開発許可を問題視

伐採・造成現場の動画投稿を機に批判が広がった鴨川市のメガソーラーだが、住民たちは7年前から千葉県による林地開発許可を問題視してきた。

2019年7月、住民8人が行政不服審査法にもとづき、林地開発許可の取り消しを求めた不服審査請求書を県に提出。その後、千葉県からの弁明書、反論書、再弁明書、再反論書などのやりとりが続き、2025年3月、県審査員の裁定が下った。住民の請求は認められなかった。

このため、不服審査請求を行った住民が中心になり、2025年8月、林地開発許可の取り消しを求め、千葉地裁に裁判を起こした。取り消しを求める理由は多岐にわたる。

そもそも、国の環境アセスメント制度により、出力4万kW以上の大規模太陽光発電所は環境アセス手続きを経なければならない。出力がその2.5倍以上もある鴨川のメガソーラーは対象となるはずだが、太陽光発電所が国のアセス制度の対象に加えられたのは、2020年4月。鴨川のメガソーラー開発は環境アセス手続きを免れた。

そのため取り消し訴訟は、林地開発を許可した県の判断の是非を問う中で、災害誘発や環境への影響を問う形になっている。

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