工事はなぜ止めるのが難しいのか? メガソーラー問題で浮かび上がった「林地開発許可」の盲点

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建設現場を含む平群の山。左下の端にある椿台の住民が原告となって林地開発許可の取り消しを求めている(撮影:河野博子)

奈良県が行った林地開発許可について、「裁量権の範囲の逸脱またはその乱用があったとは認められない」として、一審奈良地裁は原告住民の許可取り消し請求を退けた。

森林法にもとづく林地開発許可制度では、都道府県が自治事務として開発案件を審査し、許可するかどうかを決める。奈良地裁に続き大阪高裁でも、奈良県の審査基準と審査内容が森林法に照らして正しかったかどうかが、焦点となった。

森林には、水害防止機能がある。森林があれば降雨の一部は木々の葉に捕捉され、再び晴れた時に蒸発して空に戻るし、幹を伝って落ちる雨は土壌に浸み込み、降雨量の全量が地表を流れ下ることはない。山の下流域の住民は、森林の水害防止機能を頼りにしているともいえる。

原告住民が危惧したこと

原告住民が危惧したのは、大雨が続いた場合、事業地から流れ出した水を下流の河川が流し切れずに狭小箇所で氾濫し、水害が起きる可能性。計画されている調整池の容量では足りないと主張した。また、他県の事例を調べたうえで、他県の基準・運用はいずれも下流で水害が起こらないように十分に検討されて設定・実施されているとしている。

奈良県は一審・奈良地裁での裁判当時から、審査基準やその運用は適法適切であると主張してきた。具体的には、2つの異なる基準を使って運用している。原告側が「調整池の容量不足」を導きだした計算方法について、「一方の基準の計算法の中に、もう一方の基準の考え方を持ち込むようなことは、それぞれの基準の制定時に想定されていなかったし、実務の運用において行われたことがない」と一蹴した。

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