――マドゥロ政権下で副大統領だったロドリゲス氏が暫定大統領に就任し、アメリカに協力する姿勢を示していることをどう捉えていますか。
日本のメディアはロドリゲス氏が態度を軟化させたと報じたが、表向きの発言をそのまま受け取ることには慎重になったほうがいい。彼女はまだ50代だが老獪で、さまざまな政治的な技を使う人物だからだ。2つも3つも顔を使い分ける。
アメリカ向けの顔、国内向けの顔
公にはアメリカに協力すると発言する一方、ベネズエラ国内ではまったく変わっていない。それを示すのが、ロドリゲス氏の側に常にいる2人だ。
1人はカベージョ内務大臣。ベネズエラの権威主義体制の中でインテリジェンス活動のトップであり、国民に対する弾圧や監視の責任者である。人権侵害だけでなく、麻薬取引への関与や汚職、犯罪組織との関係も一番深いと言われている。アメリカが最も注視する人物だ。
もう1人はパドリノ・ロペス国防大臣。これまでベネズエラ軍内部では離反する動きがあり、その芽を事前に摘むべく軍人を締め付けてきた。国軍を掌握するトップだ。
ベネズエラのチャベス派体制は、トップのマドゥロ氏がいなくなっただけで、その下はそっくりそのまま残っている。ロドリゲス氏は協力している姿勢を見せるために政治犯の釈放に手をつけたが、マドゥロ拘束前の850人程度から1月11日の段階で804人に減ったにすぎない。


















