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「アメリカ・ファースト」のはずが、ベネズエラ国家再建の泥沼にはまりかねないトランプ氏…今後のシナリオは?現実路線でも難航、支持層からも批判

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ベネズエラの首都カラカスでは1月11日、マドゥロ前大統領の解放を求める政府主催の集会に支持者が集まった(写真:AP/アフロ)

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2013年以降、南米ベネズエラのマドゥロ大統領は独裁体制のもとで国民を弾圧してきた。国は経済危機に陥る一方で、マドゥロ氏は贅沢な暮らしを続け、自国軍よりも信頼するキューバの警備部隊に警護を委ねていた。

しかし、その天国のような暮らしは年始、トランプ大統領によって突然終わりを迎えた。アメリカ陸軍の特殊部隊デルタフォースに拘束されたマドゥロ氏は現在、「この世の地獄」とも呼ばれる悪名高いニューヨーク・ブルックリン区の拘置所に収監されている。

完璧な拘束作戦と裏腹に難路が待ち受ける

「断固たる決意作戦」と名付けられたマドゥロ拘束作戦は、アメリカの軍と情報機関が連携して緻密に実行し、成功裏に終結した。しかし、アメリカ兵の死者を出さず、ほぼ無傷に完遂された作戦とは裏腹に、政権移行は泥沼化する危険を孕んでいる。

「壊したら、それを所有する(償う)のはあなた」。03年のイラク戦争前、コリン・パウエル国務長官(当時)がジョージ・W・ブッシュ大統領に突き付けた警句として知られる。アメリカが他国の政権転覆に踏み込む以上、その後の国家再建を自らの責務とみなすべきという考え方は、ワシントンでは「ポッタリー・バーン・ルール」(末尾に注)として知られる。

トランプ氏は、「アメリカ第一主義」を掲げ、歴代政権が続けてきた「終わりなき外国の戦争」を批判して16年大統領選を制し、24年の大統領選で返り咲いた。

しかしトランプ氏は、ベネズエラの政権移行期にアメリカ軍をベネズエラに派遣することについて「恐れていない」と語り、軍事関与に前向きな姿勢を隠していない。

さらに、軍を配備していない現段階で、ベネズエラを「運営する」とまで発言。結果として、トランプ氏がベネズエラ再建の責任を自ら負う意思を示したと国民に映りかねない。

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