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ベネズエラ軍事作戦で垣間見えた第2次トランプ政権の秀逸なPR戦略、第1次政権と何が変わったのか

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フロリダ州マール・ア・ラーゴのトランプ大統領私邸に作られた臨時のシチュエーションルームの様子。左はジョン・ラトクリフCIA長官(写真:トゥルース・ソーシャルへのトランプ大統領の投稿より)

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トランプ政権2期目(以下トランプ2.0)の対外政策は、一見すると常識はずれで、既存の秩序を無視した、一言で言えば無茶苦茶なものが多く、日本でも「識者」や「専門家」とされる人々があきれかえったと言わんばかりの批判的立場からのコメントを述べることが多い。ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領拘束作戦についてもそうした評価がメディアを賑わせている。

だが、私が追ってきたPR戦略の観点からすると、今回の作戦をめぐるトランプ2.0の発信は事前の綿密な準備に基づく戦略的なもので、一期目とは全く異なるものだった。

巧妙なPR戦略

作戦自体、鮮やかなまでに電光石火だった。アメリカ東部時間の1月2日深夜にフロリダの私邸マール・ア・ラーゴにいたトランプ大統領の最終許可がおり、2時間強後の3日未明午前1時過ぎに特殊部隊による作戦が始まりカラカスのマドゥロ大統領夫妻の居所を急襲、そこからおよそ2時間半の午前3時半ごろには夫妻を海上の米強襲揚陸艦「イオージマ」への移送に成功した。

そして、まさに「怒涛の発信」で情報の波を世界に広げていった。

第1報は、トランプ大統領自らが設立したツイッター(現X)型のSNS、トゥルース・ソーシャル(Truth Social)によるもので、作戦終了からわずか1時間の午前4時半前にポストされた。マドゥロ大統領夫妻を捕獲し、すでにアメリカに送りつつあることを明かしている。

トランプ大統領は未明の作戦をマール・ア・ラーゴに臨時に作られた「シチュエーションルーム(現地からのライブ中継映像を見ることができる部屋)」で一部始終を見守っており、事態を現在進行形でつかんでいた。トゥルース・ソーシャルを用いた速報には磨きが掛かっており、最近ではプーチン大統領との電話会談の真っ最中に「会談はうまく行っている」とポストするほどに速くなっている。

だが、今回はきわめてリスクの高い作戦である。

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