会員限定

支持率3割台の世論調査も出て窮地のトランプ氏。中間選挙と弾劾に危機感、「米国第一」を変質させ軍事的冒険主義に進むか

✎ 1〜 ✎ 13 ✎ 14 ✎ 15 ✎ 16
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

ラテン系は民主党支持が多いとされてきたが、トランプは24年大統領選でラテン系有権者が投じた票の46%も得票し、アメリカ史上最もラテン系の票を獲得した共和党の大統領候補となった。だが、最新の世論調査では、ラテン系のトランプ支持は3割台後半に落ちこみ、政権発足時より10ポイント超下落している。

中間選挙と3度目の弾劾裁判に焦り

トランプは自身の低支持率を報じた紙面を「フェイクニュース」と批判し、意に介さない姿勢を見せてきた。しかし、実際には11月に行われる中間選挙で敗北する予感があるのだろう。

仮に民主党が中間選挙で再び議会の多数派となれば、3度目の弾劾裁判に直面する可能性がある。その危機感をトランプは隠さなくなっている。もっともトランプの場合、こうした危機感は、人々が抱く政治への不満を解消しようという方向ではなく、どのような手段を使っても勝つ、という方向へと向かってしまうようだ。

2月初頭、元FBI副長官で現在はポッドキャスターのダン・ボンジーノの番組に電話出演したトランプから、驚くべき発言が飛び出した。中間選挙についての話題で、「投票のために我が国に連れてこられ、不正に投票している」人々がいると断言し、「不正な」15州の選挙について、我々が投票を「掌握」し、「国有化」すべきだと表明したのだ。

15州が具体的にどの州かは明言しなかった。合衆国憲法は、選挙の管理主体を連邦政府ではなく各州と定めており、これに明確に反する発言だ。

トランプ発言の背景には、中間選挙における共和党の敗北への予感がある。共和党が内々に行った世論調査によれば、下院の過半数を失う見込みはいよいよ強まり、改選議席の関係で、共和党の多数派がかろうじて維持されると思われていた上院に関しても、少数派に転落する危険が生まれている。

現在、上院で共和党は53対47と過半数を維持しているが、接戦州(ミシガン、メイン、ノースカロライナ)に加え、アラスカ、アイオワ、オハイオなどの保守州でも接戦が予想されている。さらには30年以上にわたり連邦議会議員や知事職を共和党が独占してきたテキサス州についても大番狂せの可能性が生まれている。

1月末、テキサス州議会の上院議員の補選が行われ、民主党候補が14ポイント差で共和党候補に勝利する番狂せがあったが、この選挙区は24年大統領選でトランプが17ポイント差で勝利した選挙区であり、共和党候補はトランプの応援も受けていた。

物価高問題や移民政策の行き詰まりなどトランプ政権にとっては支持率をあげる好材料が見当たらない。そんな中、1月末には司法省が19年に死去したアメリカの富豪ジェフリー・エプスタインに関する300万点超の資料の公開に踏み切った。

エプスタインは未成年者の性的人身売買の罪で起訴されて投獄された後、獄中で自殺した人物で、欧米の政財界で幅広い人脈をもっており、彼らが人身売買や性暴力に関与している可能性が疑われ、大きな問題となった。今回の資料公開で、トランプとの関わりについての疑念が再燃している。

次ページトランプに関連する言及は3万8000件も
関連記事
トピックボードAD