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「現金狙い案件」を進んで提案したM&A仲介の全貌/M&A総研担当者が作成した「案件整理ファイル」の実態

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M&A総合研究所
従来の「悪質な買い手」問題とは次元の異なる、新たなトラブルが起きていることがわかった(撮影:尾形文繁)

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2024年ごろから「悪質な買い手」問題で注目を集めてきたM&A仲介業界。中小企業庁が「中小M&Aガイドライン」を改訂したこともあり、業界の健全化意識は高まっている。

一方で、「悪質な買い手」をめぐり、これまでの問題とは構図が異なる新たなトラブルが起きている。

大阪に拠点を置くマイスホールディングス(HD)が昨年11月、M&A仲介大手のM&A総合研究所を傘下に持つM&A総研(現クオンツ総研)HDに対し、約1億2000万円の損害賠償を求めて東京地方裁判所に提訴していたことが東洋経済の取材でわかった。

マイスHDは23年3月に会社を設立後、20社を超える中小企業を次々と買収。株式譲渡契約の成立後に貸し付けなどの名目で買収先の現預金を流出させていたなどとして、一部売り手企業とのトラブルにも発展していた。

25年6月には、業界団体のM&A支援機関協会から「M&A後に対象会社から資金を抜き取る等、対象会社に損害を与えるおそれのある不適切な譲り受け側である」として、特定事業者リストに登録する旨の通知を受けていた。リストに登録されると協会加盟社の間で情報が共有されるため、新たなM&Aは困難となる。つまり「悪質な買い手」として"認定"を受ける可能性があった会社というわけだ。

異例の買収スキーム

しかし、そんな会社がなぜ仲介会社のM&A総研を訴えたのか。

当時マイスHDの代表であった森秀幸氏によれば、事の発端は23年11月にさかのぼる。M&A総研の仲介により、東京都の水道工事などを請け負う彩貴工業の買収を持ちかけられたという。

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