日傘を差し続けて50年、87歳の元祖“日傘男子”が沖縄にいた!「利用促進パレード」まで開催する熱意のワケが意外と深かった

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渡口さんは11か条の8番目にある「トレンディー」と「ジェントルマン」について、「英国紳士ってわけじゃないですけどね。ロンドンは雨が多いからみんな傘を持っているでしょう」と、日傘を持つことは「それ自体がおしゃれなことだ」とのアプローチで愛用している。渡口さんの現在の日傘はシンプルなベージュ。飽きることない相棒だ。

こうやって積み重ねた日々の中で、沖縄日傘愛好会の活動が注目を浴び、新聞や雑誌などからもよく取材を受ける。今回の取材前にも、雑誌『通販生活』の表紙を沖縄日傘愛好会会長としての渡口さんが飾っていたばかりだった。表紙を見ながらこうつぶやく。「湖城さんが生きていたらなぁ」。共に愛好会を立ち上げた同志に、報告したい活動成果だった。

渡口さん
愛用のベージュの日傘を差す渡口さん(筆者撮影)

傘は安いもので十分!

さて、これから日傘を持ってみたいと考える人に向けて、渡口さんからのアドバイスを尋ねてみた。

「私は50年以上も傘を持ち歩いているからね、靴と同じで、絶対に忘れることはないんだけど」と前置きしたうえで、「でも、日傘が習慣になっていない人はたまに持っていくから忘れたり失くしたりするんだよね。だから、2000円とか3000円の安い傘で十分です」と話す。あと、もう一つ付け加えた。「傘を楽しむことです」

渡口さんのお話に触発された筆者も、実際に日傘を差してみた。自宅から徒歩2分程度のコンビニまで日傘のショートトリップだ。

やはり何事も新しい経験というのはわくわくする。意外と恥ずかしくはない。そもそもこの手の恥ずかしさの大半は自意識から来るものだと思っている。それ以前に、この夏の日差しで日傘を差していても、周囲は「そりゃあそうだよな。暑いもん」としか思わないだろう。

何より、影を自分の意思で背負えていることに小さく感動している。暑い時に影を探す必要がない。そういえば私が中学生の時、フォークデュオの19がこんな歌を歌っていたなぁ。「風が吹かない そんな場所でも ぼくたちが走るなら 感じる事が出来る」。そう、たとえ影が無い場所でも、日傘を差せばいつでもどこでも涼むことができるのだ。

長濱 良起 フリーランス記者

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ながはま よしき / Yoshiki Nagahama

フリーランス記者。得意ジャンルは音楽・経済。沖縄県出身・在住。
元琉球新報記者。フリー転向後も新聞や雑誌、書籍、ウェブ媒体などでの記事執筆を続け、これまでの取材執筆本数は約2000本。海外メディアの日本国内取材コーディネーターとしても活動。旅と音楽が好きで、訪問国数40ヵ国超。1986年生まれ。

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