「そもそもタピオカをウリにしていない」「2028年までに400店目指す」  最盛期は3時間待ち《ゴンチャ》驚くべき"現在の姿"

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ゴンチャ
かつては2~3時間待ちだったことも(画像:ゴンチャジャパン提供)
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2018~2019年頃に巻き起こったタピオカブーム。
同時期には「タピる」という造語が、流行語大賞にノミネートされるほど社会現象を巻き起こしたなか、瞬く間にブームは沈静化した。
呼応するように、多くのブランドが撤退を選択するなか、現在でも店舗拡大を続けるのが「ゴンチャ」だ。
矢継ぎ早にトレンドが移り変わる飲食業界で、なぜゴンチャは息ながく展開を続けられたのか。そして当時のタピオカブームをどう見ていたのか――。同社へのインタビューと現地取材から探った。
前編:『いまだに見かける「ゴンチャ」客は何を買っているのか

ピーク時の平均月商は約2000万円

「ブーム最盛期の頃は、ビルの路面店に入居していた店舗は、その周りを囲むように行列ができていたのを覚えている。時には、行列を整理する警備員を配置するほどで、2~3時間ほど待ち時間があったほどすごかったですね」

ゴンチャジャパン経営企画本部長の酒井洵氏は、タピオカブームのピークをこう回顧する(以下、発言は同氏)。

2019年を振り返ると、店舗数57に対して、年間の延べ来客数は約1700万人を記録。年中開店していると想定すれば、1店舗当たり1日延べ800人以上が、インスタ映えのするタピオカを求めて足を運んだ。1店舗当たりの月商も、ブーム以前の2~3倍に当たる2000万円前後まで膨らんだ。

しかし、ブームによる恩恵とは対照的に、世間的な煽りを受ける側面もあった。その最たる弊害が、ゴンチャが「タピオカブームに乗じて出店した新興ブランドの一種」として、一緒くたに括られてしまうことだった。

遡れば、ゴンチャが日本上陸を果たしたのは2015年。いまでこそタリーズやスターバックスなどが、お茶に特化した派生ブランドを展開しているものの、当時「お茶を主軸にしたチェーン店」は国内にはほぼなかった。お茶といえばペットボトルで安価に購入するか、ホテルのアフタヌーンティーで嗜むかが主流で、消費行動が二極化している状態だった。

そこでゴンチャは、「手軽かつおしゃれにお茶を飲める」という中間をいくポジショニングと、「ティーカフェ」という専門性を武器に日本参入を果たした。つまりゴンチャは、当初から一貫して「お茶」をウリにしており、あくまでもタピオカはトッピングの一種という位置付けだった。

対して、タピオカブームに乗じて、短期的な利鞘を求める新規参入者にとって、当然メインの商材はタピオカとなる。

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