タイタニック号見学ツアー事故で進行していたタイタンの損傷。層間剥離と小型旅客船舶規制の指摘が示す深海での備えとは
2023年6月18日に発生した、沈没船タイタニック号見学ツアー用潜水艇「タイタン」の圧壊事故に関する、アメリカ国家運輸安全委員会(NTSB)の調査報告書が10月中旬に公開された。
乗員5人が命を落としたこの事故は、タイタンに設計上の問題があったことに加え、事故を起こした調査潜水に至るまでに船体の適切な検査をしていなかったことが原因だとNTSBの報告書は結論づけている。
事故の概要と報告書の結論
この事故は北大西洋でタイタニック号の沈没現場へ降下する途中に発生し、搭乗していたオーシャンゲートのストックトン・ラッシュCEO、「ミスター・タイタニック」と呼ばれたフランスの潜水探検家ポール=アンリ・ナルジョレ氏、イギリスの冒険家ハミッシュ・ハーディング氏、そしてパキスタンの実業家シャーザダ・ダウード氏とその息子スレイマン・ダウード氏がその命を落とす最悪の結果を招いた。
NTSBの報告書は、タイタンの設計に関して「複数の欠陥を含む炭素繊維複合材を用いて耐圧シェルが製造され、必要な強度と耐久性の要件を満たさなくなった」と述べている。そして、タイタンを所有するオーシャンゲート社は、タイタンに対して適切な検査を実施しておらず、その真の耐久性を把握していなかったと結論づけた。



















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