「30年前は120店舗あったのに…」現在は8店舗の《元気寿司》、"元気がなかった"30年を経て「最高益」「約15年ぶり新店舗」で静かに大復活の意外な理由とは?

タッチパネル式で注文を行い、バックヤードで作られたすしが、レーンを流れて卓に到着するーー。
コロナ禍の衛生観念の高まりや、2023年に発覚した「寿司ペロ騒動」の不祥事が重なり、現在多くの回転ずしチェーンはオーダー制に切り替わっている。回転レーンに流れるすしネタを直接取る、従来の原風景は過去の産物になりつつある。
そんななか業界で、いち早くオールオーダー制を採用して、社を業績回復に導いたのが『魚べい』ブランドだ。一見、注文方法が変わっただけで、大した違いは生まれないように思えるが、なぜ業績回復に直結したのか。

2011年の東日本大震災が転機に
いまから時計の針を戻すこと四半世紀ほど。デフレが顕著に進んだ2000年前後は、スシローやかっぱ寿司などの大手チェーンが、全皿90~100円均一のレンジで熾烈な価格競争を敷いていた時代だった。
こうした波に後れを見せていたのが、当時社の旗艦ブランドに位置していた『元気寿司』だった。同ブランドでも1皿100円のメニューは多数揃えていたものの、150~200円の皿も用意していたことで、相対的に他社より割高な印象が拭えなかった。
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