日本の大学病院の医師たちは、アメリカの患者がスマートフォンを使って自身の医療記録全体を簡単に確認できることにしばしば驚きを隠せない。アメリカの患者はモバイルアプリを通じて医療情報を閲覧し、医師と直接メッセージを交わし、処方箋を受け取り、診察予約を管理し、医者とのやり取りを評価するなど、医療に対する主体性をますます強めている。
さらにアメリカの病院の患者ポータルには、高度な医療AIチャットボットが常時搭載され、検査結果を解説し、複雑な医学用語を平易に説明し、診察予約の推奨時間を提示するまでに至っている。
こうしたAIは、患者に代わって医師の診察記録を分析し、必要なスクリーニング検査やフォローアップ面談を提案することで、診察の質と患者満足度の向上に貢献している。
前例なき財政圧迫に直面する病院経営
現在、日米両国の病院は、深刻な財務危機に直面している。急激なインフレと人件費の高騰が利益率を圧迫し、2024年におけるアメリカの病院の平均利益率はわずか4.9%に過ぎない。同年にはアメリカ国内の病院の37%が営業赤字を計上し、多くの中小病院では職員の解雇や、不採算だが重要な専門診療科の閉鎖が相次いでいる。特に地方や都市郊外の病院やクリニックは経営基盤が脆弱であり、破綻寸前に追い込まれているケースも珍しくない。
日本の状況はさらに深刻だ。2024年において赤字経営の病院は全体の61.2%に達し、前年から10.4ポイントも悪化した。公立病院に至ってはその比率が実に83.3%に上り、赤字額の合計は3952億円になった。この問題が放置されれば、病院破綻の波は全医療機関にもおよび、特に地方の医療インフラが壊滅的な打撃を受ける恐れがある。




















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