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SNS・スマホ、若年層の利用や学校への持ち込みを法律で「全面禁止」する時代が到来。日本は「デジタル依存症」の危機にどう立ち向かうべきか

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アップル創業者スティーブ・ジョブズは、自分の子供にiPadを使わせなかったことで知られている(写真:ブルームバーグ)
世界は今、AI革命をはじめとするテクノロジーの激変期にあり、その潮流は政治・経済の構造そのものを変えつつある。そして、その最前線に位置するのが、シリコンバレーだ。本連載では、アメリカにおける政治・経済の深層と、ビジネスの未来を方向づける最新トレンドを、日本のリーダー層に向けて発信していく。(文中敬称略)

自分の子供にiPadを使わせなかった

本連載では、アメリカにおける政治・経済の深層と、ビジネスの未来を方向づける最新トレンドを、日本のリーダー層に向けて発信していきます

アップル創業者スティーブ・ジョブズは、自分の子供にiPadを使わせなかったことで知られている。また、マイクロソフトのビル・ゲイツも、自身の子供が14歳になるまで携帯電話を持たせなかったという。彼らの先見の核心は何か。

2025年9月、アメリカでは数百万人の子供がスマートフォンを学校へ持ち込むことを禁じられた。銃撃事件が相次ぐこともあり、一部の保護者は有事の際に子供と連絡が取れなくなるとして反発しているが、「有事の時こそスマホではなく教師の指示への集中が必要」という教育現場の考え方が支持されたかっこうだ。

学校へのスマホ持ち込み禁止は超党派で支持が広がり、テキサス(共和党)やニューヨーク(民主党)など全米19州が州全体で規制に踏み切り、さらに10州が追随する見込みだ 。実際、スマホを禁止した学校の生徒は読書へ回帰し、ケンタッキー州ジェファーソン郡では学校図書館の貸し出しが急増したという。

こうした流れは世界的潮流ともいえる。フランスは18年に11~15歳の校内でのスマホの利用を原則禁止としたが、昼食・休憩時間の使用が例外的に認められていた。25年9月からは、例外なく全面禁止とした。

オランダは24年から中学校で、2025年からは小学校でもスマホの持ち込みを禁止した。イタリアは2024年、ベルギーは25年、スウェーデンと韓国も26年秋に法規制を導入予定だ。日本は法的な禁止措置があるわけではないが、多くの学校で既にスマホの持ち込みを禁じている。

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