スマホ依存で学力低下の本質は? "利用時間が長い"ことばかり気にする人が陥る盲点とは

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(写真:Graphs / PIXTA)
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スマートフォンが日常生活の中心に入り込んで久しい現在、その便利さの裏側で、近年「スマホ認知症」と呼ばれる現象が教育現場や医療の専門家の間で深刻視され始めています。今回は『スマホ認知症 思考力・判断力・集中力を奪われないために』を上梓した西岡壱誠氏に、スマホ依存が進むことで思考力が下がる危険性について解説してもらいました。
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スマホが子どもの「考える力」を奪う?

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文部科学省によると、小学6年と中学3年を対象に実施した全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)で、中学国語で記述式の平均正答率は3割に届かず、3割近くが無解答だったことがわかりました。

また「経年変化分析調査」(2024年度)の結果を見ると、前回の調査である2021年度の調査よりも学力が低くなってしまっていたことがわかっています。コロナ禍の影響もあるとはいえ、ここまで大きな学力の低下は珍しいため、「なぜこんな事態になったのか」ということが教育業界で議論になりました。

そんな中で、現場の学校の先生への取材を重ねていると、原因としてまず挙がるのが、「スマホの使いすぎ」という問題です。小中高問わず、地域か都会かというのも問わず、どの学校でも「生徒のスマホ依存」が強まっているという声が聞かれ、これが子どもたちの学習態度や集中力に影響しているのではないか?という指摘が後を絶ちません。

実際、子どもたちのスマホ環境は大きく変わりました。MMD研究所の調査によれば、2022年には小学生の51.6%が自分のスマホを所有しており、2019年の40.1%からわずか3年で10ポイント以上増加しています。

またNTTドコモ モバイル社会研究所のデータでは、スマホを持ち始める平均年齢が2019年の11.34歳から2021年には10.63歳へと早まり、いまや小学生でスマホを持つことは“例外”ではなく“標準”になりつつあります。

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