スマホ依存で学力低下の本質は? "利用時間が長い"ことばかり気にする人が陥る盲点とは

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調べ学習は本来、問いを立て、仮説を作り、必要な情報を取りに行く“能動的な行為”です。しかし今は、情報が自動的に流れてくる世界に慣れたことで、そもそも「問いをつくる」という出発点が弱くなっているのです。

学力テストが測ろうとしているのは、まさにこの「問いを立てる力」「読み解く力」「論理的に考える力」です。スマホ利用そのものが悪いわけではありませんが、スマホの設計が、“考えるための小さなきっかけ”を奪い続けているとすれば、その影響が学力低下として表れるのは不思議ではありません。

問題の本質は「スマホの時間が長い」ことではない

問題の本質は、単に「スマホの時間が長い」ことではありません。情報が自動再生され、選ばなくてもよく、区切りも失われた世界に生きる中で、子どもたちが「自分で考えるプロセスを経験する機会」を奪われていることなのではないでしょうか。学力低下は、もしかするとその“副作用”として表れているのかもしれません。

「スマホをどう使うか」。「子どもに、スマホとどう向き合ってもらうか」。

これは今後の教育における大きなテーマです。必要なのは、スマホそのものを禁止することではなく、子どもたちが「主体的に考えるための習慣」をどう取り戻すかを社会全体で再設計することだと言えるかもしれません。

西岡 壱誠 ドラゴン桜2編集担当

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にしおか いっせい / Issei Nishioka

1996年生まれ。偏差値35から東大を目指すも、現役・一浪と、2年連続で不合格。崖っぷちの状況で開発した「独学術」で偏差値70、東大模試で全国4位になり、東大合格を果たす。

そのノウハウを全国の学生や学校の教師たちに伝えるため、2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立。全国の高校で高校生に思考法・勉強法を教えているほか、教師には指導法のコンサルティングを行っている。また、YouTubeチャンネル「スマホ学園」を運営、約1万人の登録者に勉強の楽しさを伝えている。

著書『東大読書』『東大作文』『東大思考』『東大独学』(いずれも東洋経済新報社)はシリーズ累計40万部のベストセラーになった。

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