
かつて500円ランチで人気を博した『さくら水産』。薄利多売を武器に、最盛期は160店舗近くまで展開したものの、物価高騰や宴会需要の減少に対応できず、ブランドと共に客層の高齢化が進んだ。その結果、現在は11店舗まで縮小。一方で平均客単価は3200~3300円まで上昇し価格帯の優位性も薄れた。
前編『「魚肉ソーセージ50円」「刺身200円台」「ランチ500円」で人気だった≪さくら水産≫が“残すところ11店舗”まで衰退の現在』ではそんなさくら水産の現状をレポートしたが、後編となる今回は、さくら水産から“のれん替え”して挑む新ブランドの実力を調査する。

「安さが売り」が限界に
さくら水産の親会社のテラケンが、再起をかけて立ち上げた新業態が『魚がイチバン』だ。さくら水産が敷いた“安さが売り”のモデルが限界を迎え、高付加価値な海鮮料理を押し出そうと、2023年から計3店舗をリブランディングした。メニューには「活あわび刺身/躍り焼(658円)」や、「活車えび踊り食い(390円)」、「ぷりぷり海老ユッケ(990円)」といった商品名が目を引き、魚介だしを使用したおでんもウリにしている(価格はすべて税込)。

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