国内からほぼ消えた「元気寿司」が今、東京・上野で旗艦店をオープンする理由とは? 都心部で先行するスシローやくら寿司に対抗できるか

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「GENKI SUSHI×魚べい上野店」の客席(写真:Genki Global Dining Concepts)

インバウンド客でにぎわう東京・上野。JR上野駅から徒歩3分の好立地に10月10日、「魚べい」と「元気寿司」の両ブランド名を冠した「GENKI SUSHI×魚べい上野店」がオープンした。両ブランドを展開する回転ずし業界5位のGenki Global Dining Conceptsにとって、「グローバル旗艦店」と位置づける初の店舗だ。

元気寿司は回転ずしチェーンの先駆けとして、ピークだった1998年には国内で151店舗を展開し、業界トップの店舗数を誇っていた。しかし、2000年前後からかっぱ寿司やスシローなどの競合が100円均一皿や大型店舗の展開で急速に台頭する中で、元気寿司は国内で徐々に存在感を失っていった。

低価格化のトレンドへ対応するために始めた新業態「すしおんど」や09年に誕生した「魚べい」への業態転換も進み、現在となっては福島、創業地の栃木、茨城の3県で7店舗を残すのみだ。なぜ今、元気寿司ブランドの店舗を東京のど真ん中にオープンするのか。

競合は都心戦略で先行

実は同社では現在、海外242店舗(直営11店舗、FC231店舗)のうち、元気寿司がおよそ9割を占めており、海外では利用者から現地ブランドと誤って認識されることもあるほど定着しているという。

そうした経緯もあり、今では国内は魚べい、海外は元気寿司というすみ分けができている。そこで過去最高水準の訪日客数が続く中、海外で認知度が高い元気寿司のブランド力を活用してインバウンド需要を取り込もうという狙いがある。

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