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〈老舗復活〉国内からほぼ消えた「元気寿司」が都心で復活へ!出遅れたインバウンド囲い込みに本腰、先行するスシローやくら寿司に対抗できるか

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10月10日にオープンした「GENKI SUSHI×魚べい上野店」。Genki Global Dining Conceptsの藤尾益造社長は「インバウンド需要が見込める立地を中心に、今後も出店していきたい」と話す(記者撮影)

インバウンド客でにぎわう東京・上野。JR上野駅から徒歩3分の好立地に10月10日、「魚べい」と「元気寿司」の両ブランド名を冠した「GENKI SUSHI×魚べい上野店」がオープンした。両ブランドを展開する回転ずし業界5位のGenki Global Dining Conceptsにとって、「グローバル旗艦店」と位置づける初の店舗だ。

「かつて業界で店舗数が一番だった元気寿司は競合出店の中で閉店に追い込まれ、今では7店舗になった。今回のオープンを機に、元気寿司を国内でも復活させていきたい」。藤尾益造社長は、元気寿司ブランドの店舗を十数年ぶりに出店する意味について感慨深げに語った。

かつての業界首位、今では7店舗を残すのみ

同社は1968年に「元禄寿司」のフランチャイズ(FC)店として創業。1990年にFC契約を解除した後、独自業態の元気寿司として郊外ロードサイド立地への出店で業容を拡大していった。回転ずしチェーンの先駆けとして、ピークだった1998年には国内で151店舗を展開し、業界トップの店舗数を誇っていた。

しかし、2000年前後からかっぱ寿司やスシローなどの競合が100円均一皿や大型店舗の展開で急速に台頭する中で、元気寿司は国内で徐々に存在感を失っていった。低価格化のトレンドへ対応するために始めた新業態「すしおんど」や2009年に誕生した「魚べい」への業態転換も進み、現在となっては福島、創業地の栃木、茨城の3県で7店舗を残すのみだ。

一方で魚べいは、元気寿司やすしおんどからの業態転換や新規出店などで店舗数を増やしていき、2025年9月末時点で178店舗を展開する国内事業の中核ポジションを確立していった。今後も出店のアクセルは緩めず、2027年度末には201店舗まで拡大する計画だ。

それでは、国内ではほとんど存在感がない元気寿司ブランドの店舗を今になって東京のど真ん中にオープンするのはなぜなのか。

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