年間で約12商品を展開するなかでも、ベースとなる試作品は100種類以上に及びます。旬なフルーツなどを使用しつつ、過去に展開して反響が大きかったメニューを、アレンジしながら毎年出すことも視野に入れている」
今年も発売された「いちご杏仁」シリーズは、いまや定番の春の風物詩として待ち望まれている人気商品だ。来店客には期間限定商品で訴求を促しつつ、本部では効率化を進めることで、うまくバランスを取っている。
2024年の延べ来客数は約3000万人
着実に展開を続けてきたことを示すのが、リピーター率の高さだ。
現在ゴンチャの来店頻度の割合は、「週1回以上が10%」「月1回以上が20%」「それ以下のライト層が70%」という分布に落ち着く。LINEリサーチの発表によれば、2022年6月時のスターバックスで「月1回以上通う顧客が23%」というレポートが出ており、時期は違えどゴンチャのほうが数値が高いことが見て取れる。
また、現在の来店客の半数は30歳以上を占める。ブーム最中では大半が女子高生や大学生だったなか、ブランドとともに来店客も年齢を重ね、それだけ根強く支持されていることがうかがえる。
2024年の1店舗当たりの平均月商は、フランチャイズモデルで860万円までに回復した。全盛期からすれば半分以下ではあるものの、昨対比は120%以上と右肩上がりの傾向にある。
「昨今では物価高の影響で、売り上げが前年比を超えていても、客数が伸びていない飲食チェーンも多い。その中でゴンチャは客数が伸びているのが特徴的」と酒井氏。全店舗の年間の延べ来客数で見ても、2023年の約2000万人から、2024年は約3000万人の増加に転じた。
今後、ゴンチャは2028年までに400店舗、年間の延べ来客数を6000万人を目指す。
表面的には、ゴンチャはいまだ“タピオカの象徴”として語られがちだ。だが、内実を見れば、同社はティーカフェとして始まり、タピオカブームの恩恵や功罪を受けつつも、顧客とのロイヤルティー醸成に注力してきた。
流行は熱が高まるほど、その実態は見えにくくなる。その過渡期を経験しながらも、地に足をつけたブランドだけが次の時代を迎えられる。ゴンチャはその数少ない例外と言えそうだ。
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