「そもそもタピオカをウリにしていない」「2028年までに400店目指す」  最盛期は3時間待ち《ゴンチャ》驚くべき"現在の姿"

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とはいえ興味深いのは、ゴンチャが、ブーム終焉以降も店舗網を拡げているところだ。ブームが翳った2020年の90店舗から、毎年20~30近いペースで純増を続け、現在は200店舗を超えるまでに成長を遂げている。

「タピオカブームを振り返ると、結果論として、根本的なクオリティを重視してこなかったブランドが淘汰されていった。そうした浮き沈みを見ていると、当社が2015年から一貫して、お茶にこだわってきたのは間違いでなかったと改めて認識した。

そもそもタピオカブームが訪れる以前も、店舗拡大はできていたので、コロナ禍以降も増店は可能だと見ていた。賃料が高額な立地は一部撤退したものの、立地を見極めながら出店ペースを調整していった」

コロナ禍により不採算店舗を畳み、収益体質を強化する方向に切り替えたゴンチャだが、同時に投資を回すことも怠らなかった。

その一例が、オペレーションの効率化だ。前述した通り、ブーム真っ最中のゴンチャは2~3時間並ぶことも珍しくなかった。こうした光景を課題と感じていた同社は、ドリンク作成時間の短縮化に着手する。

ゴンチャ
店内のバックヤードでは、注文・ドリンカー・商品提供など、オペレーションが分業されている(筆者撮影)

カスタマイズの掛け合わせは1万通り以上

ゴンチャでは注文のカスタマイズが多い。4〜5種類のティーをベースに、サイズ、甘さ、氷の量、4種類のトッピングを選択してもらうことで、カスタマイズの掛け合わせは1万通り以上に及ぶ。バリエーションの豊富さは来店動機にもつながるものの、提供までに時間を要するトレードオフになっていた。

ゴンチャ
商品の裏側には製造された時間が記載されている。タピオカは提供から30分前後はもちもちの食感を楽しめるそうだ(筆者撮影)

そこでゴンチャでは、それぞれの工程で、数秒単位で製造時間を短縮できないか試行錯誤を進める。一例を挙げると、フルーツティーはそれまでシェイカーで振っていたものの、刷新後はカップに入れてかき混ぜるように改良。味に影響が出ないことを検証しつつ、細かいロスを削っていく。

同時期からは、期間限定商品の開発にも注力し始めた。現在は月1回程度で投入しているが、もともとは年間で6種類だった。一見、商品のバリエーションを拡充することは、効率化と矛盾するようにも映るが、ファンの拡大や定着には不可欠だった。

ゴンチャ
「巨峰」を使用した過去商品(画像:ゴンチャジャパン提供)

「それこそ効率的なオペレーションを目指して、一時期はメニュー削減に踏み切ったものの、復活を望む声が多く悪手となった。逆に言えば、タピオカブームは去ったものの、コアなファンの多さを再認識したので、舵を切り替えて限定メニューを拡充した。

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