日傘を差し続けて50年、87歳の元祖“日傘男子”が沖縄にいた!「利用促進パレード」まで開催する熱意のワケが意外と深かった
こうして日傘を差し続けていた渡口さんが、全国に先駆けて日傘の普及活動を始めたのは2006年。「沖縄日傘愛好会」を発足させて、会長に就任。以下のような「『男性の日傘』実行11か条」を制定した。制定当時からその思いに一点の陰りも無いかのように、今も渡口万年筆店にはこの11か条が貼られている。
・20分で行ける距離は、日傘を差して歩きましょう
・熱中症予防のために、日傘を差して紫外線をカットしましょう
・肥満防止のために、日傘を差して歩きましょう
・夏休みも、歩行者天国も、日傘を差して楽しく歩きましょう
・夫婦一緒に日傘を差して散策し、夫婦の絆を強めましょう
・元気な高齢者の多い沖縄、高齢者の皆さんも日傘を差して歩きましょう
・男性の日傘姿もトレンディー、沖縄生まれのジェントルマンになりましょう
・車中心の意識を変え、地球温暖化防止に貢献しましょう
・一度日傘を差せば、その良さがよくわかる、即実行しましょう
・亜熱帯の新しい文化として育ちつつある事を確認し、日傘利用をさらに広めよう!


日傘を持つことは「おしゃれ」なことだ
愛好会の結成を持ち掛けたのは、沖縄都市モノレールで当時社長を務めていた湖城英知さん(故人)だ。車社会でなおかつ夏の日差しが強い沖縄は、外を日常的に歩く人も少ない。それも一つの要因となり、かつての長寿県・沖縄は今となっては過去のものとなってしまった。
2020年時点での厚生労働省発表によると、沖縄県男性の平均寿命は全国43位とワースト5位。生活習慣病にかかる人の多さが指摘されており、ますます生活の中に運動を取り入れることが大切だ。
2007年には、沖縄県民、特に男性に呼びかけるかたちで、主に熱中症予防や健康の維持・増進の観点から日傘利用を呼び掛ける「利用促進パレード」を実施した。沖縄観光の中心地・国際通りや沖縄県庁、那覇市役所などが近接するスクランブル交差点を周回するというもので、ビジネスマンや観光客らに訴求するにはうってつけの場所だった。

無料会員登録はこちら
ログインはこちら